画題:映っている月を、切って見せよ
禅語:鏡分金殿燭(かがみはきんでんのしょくをわかつ)
現代意訳
道元禅師が、猛る時頼に対し湖面に映る月を切ってみせよ!
と彼の力量を試しました。
鏡はありのままを映します。豪奢な燭台の火も、荒廃した家も輝く月も、
鮮やかに、そこには存在するように見えます。
しかし、時頼をあざ笑うように、月は切っても切っても、
波紋が収まれば、又元に戻ってしまいます。
月は、雲に隠れればかすれ、風が吹けば歪み、太陽が出れば消えます。
仏教ではその事を空性といい、あらゆるものは、実態がない幻影であり
実在しない虚像であるという事を示しております。
我々は、普段から目に映った物や、聴くもの、で
誤った価値判断に、すっかり心を毒され、
映ったものが現実で、実在しているかのように錯覚しがちです。
禅では、苦悩があるなら目の前に出してみろ! と必ず言われます。
この妄想が原因で、様々な苦悩が生まれ生涯悩まされ続きます。
時頼は、実践して初めて道元より真実を教えられました。
我々も抱える苦悩は、実態がないものだと理解して、決して振り回されない事です。
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